20181013
物質と人の価値の差を設けない未来人が、現在の価値観にそまる話と現代人が過去の価値観にそまる話
わたしを離さないで
臓器移植のためのクローンが存在する社会を極めてリアルに書いた作品。更に最終的には提供者により良い暮らしを運動が敗北するという(主人公達が知らぬところで)
いいですね。センスオブワンダーを感じるぜ。いい感じの読後虚無感。
先生側の視点に立つと牛の皿にそこはかとなく似てる。
臓器移植の提供者というのはあらすじにも書いてあるし、そんなに驚愕の事実でもないけれど、マダムの謎が肩透かしだったのがカタストロフィ。エミル先生は傲慢にも感じる。
ただやっぱそれ以外が冗長に感じるな。春樹ファンみたいにそれがいい人もいるのだろうけれど。
ゾンビで分かる神経科学
やっぱり多少の専門用語(脳の部位等)が出てくる最初の方は、上滑りしていくな。
ただどの部分が欠損すれば、ゾンビのようになるかと、具体的な情景浮かぶような説明はスンナリと入ってくる。パーキンソン病では抽象的な目的を具体的な目的へと変換することができなくなることがある。このため、動き始めることが困難な場合がある。これは、大脳基底核の問題である。ゾンビは動き出すのが困難という描写はない。一方で小脳の障害のは場合は運動そのものに困難を覚える。これはゾンビの描写と一致する。よってゾンビは小脳に障害をおっていると推察できる。
- 作者: ティモシー・ヴァースタイネン,ブラッドリー・ヴォイテック,Kousuke Shimizu,鬼澤忍
- 出版社/メーカー: 太田出版
- 発売日: 2016/07/20
- メディア: 単行本
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